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毎年9月25日、羽咋市で行われる「水なし、塩なし、待ったなし」で知られる唐戸山神事相撲は、第11代垂仁天皇の皇子で、羽咋神社の祭神・磐衝別命の命日にあたる。当日は、羽咋神社で例大祭が行われたあと、相撲祭と立行司に白木の軍配を授ける任命式が行われる。唐戸山相撲場では、中入りのあと、土俵の四方に篝火を焚き、野相撲の古式に従って神事相撲が進められる。上山(羽咋を境にして押水郷から河北郡・氷見方面)と下山(鹿島郡・志賀郷・奥能登一帯)に分かれて前弓、中弓、奥弓の取り組みが行われたあと、結びに大関の位をかけた大一番の相撲が行われる。勝敗の結果、先勝、後勝がきまり、その後、両力士は羽咋神社へ向かい、拝殿で御大詔と白絹の大幣帛および高張堤燈が授けられる。
出世相撲としても有名であり、大関には「親方」の称号を与えられることが、神事相撲の特異なことを物語っている。町内に建立された相撲碑は八基を数えるが、その中で唐戸山神事相撲で大関をとり、碑が建てられたのは明治22年(1889年)に大関を獲得した大田川(世良田)和平のみである。当初、この碑は八手與一家前に建てられたが、平成6年(1995年)の道路改良事業にかかり現在地に移されたものである。明治30年代、世良田家(大田川和平)は北海道へ移住している。
ちなみに、津幡町内で唐戸山相撲の大関位についた力士は当大田川をはじめ、大正元年大淀清蔵・昭和3年片山太吉・同12年錦川俊男・同18年川勇清次・同32年櫻川嘉一・同35年太田平ニ・同39年佐藤山正信・同47年梅田利明・同51年角井外喜夫・同57年道井嘉明・平成6年村井幸男・同9年寺山一紀氏の計13名である。