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津幡町河合谷地区の上大田区に、大勢の人が水汲みに訪れる名水「滝の谷霊水」があります。1993(平成5)年の国道471号の拡幅工事の際に、古くから湧いていた湧き水が露出し、地元の人たちが自発的に整備し、蘇らせた名水です。「滝の谷霊水」と呼ばれるのは、かつて沿道の斜面に竹滝と呼ばれる落差2メートルほどの滝があったことに由来します。
一度でもこの水を飲んだことのある人は、そのおいしさが忘れられず、死ぬ前にもう一度飲みたいといわれています。まろやかな口当たりと甘味のある味で、半年経っても腐らない湧き水を求めて、連日、多くの人が訪れます。
その昔、村に難聴が原因で兵役検査が不合格になった人がいました。ある日、夢の中で「丑三つ時(うしみつどき)に滝の谷の水で頭を打たせれば良くなる」というお告げがあり、3日間、人知れず通って頭を打たせると、耳が聞こえるようになったという伝説が残っています。
同霊水の前には、国道471号を挟んで、地元の農産物や手作りの民芸品を販売する「河合谷の郷即売所」があります。また、津幡町には、津幡地区清水区にも大勢の人が水汲みに訪れる名水「しょうず」があります。