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石川県森林公園の三国山キャンプ場がある三国山(みくにやま)は、津幡町英田地区の興津区と同町河合谷地区の下河合区、及び小矢部市の嘉例谷(かれいだに)にまたがる標高 323.7メートルの山で、その名は加賀・能登・越中の三国にまたがることに由来します。
山頂には、「ごんげん様」と呼ばれる三国山社(みくにさんしゃ)の鳥居と小さな祠(ほこら)が建っています。大山祇命が祀(まつ)られ、古くは加越能の山麓八カ村の守護神でした。1584(天正12)年の佐々成政(さっさ・なりまさ)軍の兵火で焼失し、ご神体は下河合の赤倉山権現(あかくらやまごんげん=現御山神社)に移されました。現在の祠の石像は、その刻銘から、1860(安政4)年に八ノ谷村の源右衛門が世話人となって安置されたことが分かります。
毎年7月15日に、三国山から麓の集落に流れる水の恵みに感謝し、五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈る三国山社の祭礼が行われます。三国山を取り巻く加越能の3集落が、毎年交代で祭礼を行う珍しいしきたりが残っています。また、祠の「ごんげん様」を後ろに向けると、必ず雨が降るという言い伝えが残されています(河合谷地区の伝説「三国山」の話より引用)。