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津幡町英田(あがた)地区の能瀬、御門(みかど)の両区は順徳上皇(じゅんとくじょうこう)ゆかりの地で、それにまつわる伝説が残っています。
1221(承久3)年、承久(じょうきゅう)の乱に敗れた順徳上皇が佐渡へ流される途中、大しけに遭い、やむなく王崎(現在のかほく市大崎)の浜に上陸されて、御門に行在所(あんざいしょ=仮の御所)を定め、3年間ご滞在されたと伝えられています。こうして、村は御門と呼ばれようになり、「御門屋敷」と呼ばれた屋敷跡は、能瀬川沿いの田んぼにあったといわれています。隣の集落、領家(りょうけ)には、大しけの際に上皇を導く光を発したとされる聖徳太子像を安置した広済寺(こうさいじ)があります。
能瀬川を挟んで対岸の英田郵便局(柏」)の真裏に、「龍ヶ口(たつのくち)井戸跡」の石碑が建っています。順徳上皇がご滞在された時に、飲料水として差し上げるために掘られた井戸跡といわれています。1986(昭和61)年の河川改修・道路拡幅によって埋められ、1989(平成元)年8月に石碑が建てられました(英田地区の伝説「龍ヶ口井」の話より引用)
津幡町では毎年4月上旬に、順徳上皇をしのんで「能瀬川公園桜まつり」が開催されます。両岸にはソメイヨシノ約120本が咲き誇り、美しい景色を楽しめます。