本文
津幡町中条地区の浅田区にある井上三輪神社には、タブノキとウワミズザクラの巨樹が茂っています。集落はかつて、現津幡中学校の南側にありましたが、江戸時代初期の大火で、徐々に現在地に移りました。同神社の創立年代は不詳ですが、祭神は大物主命(おおものぬしのみこと)です。
◆タブノキ
大昔、この辺りのスダジイ林やウラジロガシ林の下部の平地に繁っていた樹種です。沿岸地に多く分布していることや、平地がほとんど切り開かれていることもあって、全国的にタブノキの巨樹は意外と少ないですが、この神社のタブノキは高さ20メートル、幹周り4メートルを誇ります。四方に伸びたタブの巨木が辺りを圧倒する、立派な鎮守の森です。
◆ウワミズザクラ
山林に普通に見られる落葉広葉樹で、名前の通り、サクラの仲間ですが、花が穂になって付くところが普通のサクラと違います。ウワミズザクラは一般的に大木のものが少ないですが、この神社のウワミズザクラは高さ20メートル、幹周り1.8メートルを誇り、県内にある5本の中で、第3位にランクされています。