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津幡町倶利伽羅地区の倶利迦羅不動寺の不動ヶ池(ふどうがいけ)は、不動寺境内の奥之院に奉安された「倶利迦羅不動尊」発祥の池で、かつては地下水が湧き出ていました。(現在は池が枯渇しているため、水道水により復元されています。)歴史国道「北陸道」を挟んで、向かいの駐車場から下りたところに不動ヶ池があります。石仏の不動尊像が納められたお堂があり、本尊「倶利迦羅不動明王(ふどうみょうおう)」と合わせて参拝者が多く訪れます。
倶利迦羅不動寺の縁起によると、718(養老2)年にインドの高僧、善無畏三蔵(ぜんむいさんぞう)法師が国内に仏教を広めるために倶利伽羅を訪れ、祈願したところ、不動ヶ池の中から黒い龍(倶利迦羅不動明王)が天に昇ったといわれ、その姿を彫刻し奉安されたという由来があります。
古くから残っている伝説では、その昔、不動ヶ池に大蛇がおりました。その大蛇は毒気を吐いては旅人を困らせていました。718(養老2)年、インドの高僧、善無畏三蔵がこの倶利伽羅へ仏教を教え広めるために訪れた時、この話を聞き、大蛇の被害を防ごうとお祈りをしました。すると明け方の空から宝剣が池の中に降ってきて、大蛇に突き刺さりました。大蛇はひどく怒ったような顔つきで、宝剣が突き刺さったまま天に昇っていったそうです(倶利伽羅地区の伝説「倶利伽羅権現・不動池」の話より引用)。