アカガシ原生林が茂る「甲斐崎神社」社叢
津幡町笠谷地区の大熊(おんま)区に、アカガシ原生林で有名な甲斐崎(かいさき)神社があります。同神社の祭神は、健御名方命(たけみなかたのみこ)・八阪刀売命(やさかとめのみこと)・誉田別尊(ほむたわけのみこと)・大禍津日命(おほまがつひのみこと)です。慶長年間(1496〜1615年)以後、代々十村(とむら)を務めた兵右衛門家が甲斐国(現山梨県)の出身だったことから、この地名が付き、同家の守り本尊「十一面観音」を同神社に安置したと伝えられています。
甲斐崎山(標高189メートル)山頂付近に鎮座する同神社の鎮守の森には、直径70〜100センチのアカガシの巨木が数10本自生し、立派なアカガシの原生林になっています。アカガシ林は標高およそ200メートルまでの尾根筋や、斜面上部の土壌が浅い乾いた立地に成立しています。県内にはこのようなアカガシの原生状態の林がほとんどなく、また、原生林としてはここが北限となっているなど、学術上貴重で、植物学者の間でも高く評価されています。
◆1993(平成5)年8月25日 石川県文化財(天然記念物)指定
下流の吉倉から甲斐崎神社がある大熊に向かって伸びる坂道の左手に、「ヤンタン」と呼ばれる谷があります。その谷あいを流れる川の際に、かつて無色透明の大熊鉱泉が湧き出ていました。
十村:他藩でいう大庄屋に相当するもので、加賀藩の村支配を代行する村役人組織の頂点に立つ役職。
所在地 | 〒929-0467 石川県河北郡津幡町字大熊ト6 |
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アクセス | 津幡町市街地から県道218号線を鳥越方面に進み、右手に「JA石川かほく津幡東支店」がある交差点を左折し、県道219号線に入ります。河合谷方面に向かって進み、吉倉集落の入り口で「大熊(小熊)」の道路標識に従って左折します。そのまま道なりに進むと、右手に「大熊」の案内標識が見えます。そこを右折し、集落に入ると、右手に「甲斐崎神社社叢」の案内板が見えます。そこから山道を登り、右側の建物「ふるさと道草」を過ぎると、「甲斐崎神社社叢」の案内板が見えます。そこを左折し、さらに山道を登っていくと、「甲斐崎神社」の駐車場に着きます。 |