上大田青年同志会「雄獅子・雌獅子・小獅子」

上大田青年同志会「雄獅子(上)・雌獅子(左下)・小獅子(右下)」

上大田青年同志会「雄獅子(上)・雌獅子(左下)・小獅子(右下)」

 上大田区は毎年8月の第3または第4土曜日に獅子舞を出している。現在、獅子頭は1942(昭和17)年に作られた「小獅子」と1952(昭和27)年に作られた「雄獅子」・「雌獅子」の三体があり、いずれも富山県井波町の日展作家横山一夢の作である。「小獅子」は通称サッサイ獅子と呼ばれ、「雄獅子」・「雌獅子」はその形状から箱獅子と呼ばれている。獅子舞は、「雄獅子」・「雌獅子」が明治から、小獅子が昭和初期から行われていると伝えられている。
 蚊帳は、麻布で巻毛模様がほどこされており、スッペ(胴竹)を3本入れ蚊帳の内側で縛り、尾は1.2メートルの竹に赤く染めた1.5メートルの苧麻をつける。蚊帳の中には胴持ち3人、尾持ち1人が入り、小獅子が舞う時のみ「サッサイ、ソラ、ヨイヨイヨイトコサ」と声をかける。
 頭持ちは、白シャツに短パン、懸帯、手甲、脚絆をつけ、白足袋に草鞋をはき、蚊帳の先端を縛って襷がけにして体につける。
 棒振りは、柄模様の入った着物、袴をつけ、手甲、脚絆に白足袋、草鞋をはき、ハラカケ(胸当)をして、太く赤い襷をつける。棒振りの流技は能登獅子の流れを汲むもので、「小獅子」の棒振りは小学生が演じ、頭にシャンガン(赤熊冠)をつける。「雄獅子」・「雌獅子」の棒振りは青年が演じ、頭に天狗の面をつける。また、町まわりの時は獅子殺しをしない。
 囃子には「道中バヤシ」と「ホンブリ」がある。囃子方は小学生が務め、獅子の前方に位置し、笛5人(男女)、太鼓1人(男)、鉦1人(男)で演奏する。囃子方はカスリの着物に手甲、カッコ笠(編笠)をかぶり、白足袋に下駄、太鼓をたたく者は襷をつける。
 家々からの花(祝儀)には「目録ハ一ツ、金貨一封御酒肴ハ沢山、人気ハ栄当栄当マタ栄当、右ノダンナ様ハ○○様、ワレワレ青年同志会へ下サル」と言上する。
 上大田区には独特の神輿納め「ナンマイダ(男舞陀)」がある。まず囃子方が白山神社境内にあがり、青年同志会の監督二人と三役の先導で、棒振り、獅子が続く。この際、棒振りの1人と頭持ちをそれぞれ3人で担ぎ上げる。神社に向かって右側に雄獅子、中心に雌獅子、左側に小獅子が位置した後、十三灯(13の灯籠が三角形に並んだもので、夜、獅子と神輿の間に位置しあたりを照らす)、神輿が境内の石段を一気に駆け上がる。その後、獅子と神輿が神社のまわりを3回まわり、1回まわるごとに舞い、最後に獅子殺しをして神輿を納めをする。

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