表能瀬青年団「雌獅子・小獅子」

表能瀬青年団「雌獅子」

表能瀬青年団「雌獅子」

 通称「雌獅子」と呼ばれ、9月23日の秋季大例祭に獅子を出している。
 獅子頭は、 1893(明治26)年9月、井波の彫刻師12代番匠屋与八郎の弟子、岩倉理八(金剛寺屋)の作と言われるもので、井波町山下の古獅子や城端町林道の獅子と類似点が多く、龍頭型で底部が舟底式になっており、舌が上下に稼働する。この獅子頭は以前、金沢市大樋町にあったものだといわれ、子持ちの母獅子であったため気が荒く喧嘩が耐えなかったため、やむなく売りに出したものを能瀬地区で買ったという言い伝えが残っている。蚊帳は、1975(昭和50)年に作られたもので、麻布で牡丹をあしらい、巻毛模様がほどこされている。胴張りの竹(胴竹)を4本入れ蚊帳の内側で縛り、尾は3メートル余の孟宗竹に赤く染めた約2メートル余の苧麻をつける。
 頭持ちは背中に赤色で「祭」と入った水色の法被を着、首に豆絞りの鉢巻をかけ、白足袋に雪駄をはく。昔は、マンチラと呼ばれる派手な服装に白ズボン、力帯をして白足袋にヤツワリという履物を履いた。一方、棒振りは、柄模様の入った中振袖の着物に、同じく柄模様の袴を履き、桜色や黄色のタスキがけ、ズタツと呼ばれる胸当て(巴や家紋の入ったものもある)をつけ、腰には力帯、手には手甲、足には脚絆、白足袋をして草履を履き、頭に黒のシャンガン(赤熊冠)をかぶる。
 棒振りの流技は、金沢市の大樋町より伝わるもので、現在、長刀・太刀・棒がある。以前はつなぎ棒(チキリキのことか)や三本槍もあったが、現在は行われていない。
 囃子には神社へ上がるときの「ノボリバヤシ」、下るときの「モドリバヤシ」、道中で演奏する「道中バヤシ(ノーエ節・豊年満作)」、演技の際の「ハヤシ」がある。以前は、芸者を雇って三味線、鼓を入れ、蚊帳の中で演奏したが、現在はリヤカーに大太鼓1、小太鼓2を仕組み、太鼓に2人、笛に9〜11人が蚊帳の外、獅子の後方で演奏する。
 獅子舞の道具一式は、祭礼日の前日に集会所に飾る。家々からの花(祝儀)には「目録一ツ、金貨一封御酒肴ハ沢山、人気ハ栄当栄当御覧ノ如シ、右ハ御当町○○様ヨリ御贔屓トアッテ表能瀬獅子舞若連中へ下サル」と言上する。

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