加賀爪白鳥会「赤獅子」

加賀爪白鳥会「赤獅子」

加賀爪白鳥会「赤獅子」

 通称「赤獅子」と呼ばれ、9月15日に獅子を出している。
 現在の獅子頭は、1975(昭和50)年に富山県井波の今井幸太郎氏によって造られたもので、表面には朱漆が塗られている。蚊帳も、1975(昭和50)年に作られたもので、麻布で牡丹を左右にあしらい、巻毛模様がほどこされている。ホネ(胴竹)を3本入れ蚊帳の内側で縛り、尾は3.5メートルの竹に2メートルの赤く染めた麻をつける。
 頭持ちは黒の腹がけにパッチ、腰にきな帯を巻き、赤地に白で「若」をあしらった錦帯、襟に白鳥会、背中に神社の紋の入った黒の法被を着、豆絞りの鉢巻に白足袋を履く。一方、棒振りは法被、錦帯を脱ぎ、白か黒のシャグワン(赤熊冠)をかぶり、棒を振る。
 棒振りの流技は、竹橋の故角尾伝蔵氏より伝わるもので、金沢市大樋町の流れを汲むものといわれている。現在、長刀・太刀・鎖鎌・チキリキが行われているが、以前は、棒があった。また、頭持ちの周りには「錦帯前」と呼ばれる若衆が取り巻く。
 囃子は、演技をするときは「舞バヤシ」、家から家への行進には「ノーエ節」または「豊年満作」を演奏する。以前は芸者を雇って三味線を入れ蚊帳の中で演奏したが、現在はリヤカーに大太鼓1、小太鼓2を仕組み、太鼓に2人、笛に5〜6人が蚊帳の外、獅子の後方で演奏する。
 獅子舞の道具一式は、祭礼日の2日前に折橋氏宅に飾る。家々からの花(祝儀)には「目録一ツ金貨一封御酒肴ハ沢山、右ハ御当町○○様御贔屓トアッテ、加賀爪獅子若連中ニ下サル」と言上する。

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